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1首鑑賞350/365

グラウンドのみごとな芝は鳥取の芝と言い鳥取の人はほほえむ
   佐佐木幸綱「スクラム」「歌壇」2020.1

     *

ラグビーのワールドカップがあった。その観戦記とも言うべき一連から、掲出の一首は「グラウンドのみごとな芝」をうたう。芝そのもの、というよりは、それを「鳥取の芝」と言って「ほほえむ」「鳥取の人」が印象的である。「鳥取の芝」というのがいかにもおおづかみの表現で、こまかにいろいろ情報があるのだろうが、「鳥取の人」は「鳥取の」というだけで、なんだかうれしくなるのである。「鳥取の人」というのもやはり大づかみの言い方だ。この「人」とその「芝」には「鳥取」という共通項しかないようにうつる。それでもどこか誇らしいような、照れくさいような、そんな「ほほえ」みがあるのである。ラグビーワールドカップ「日本開催」をほほえむ「日本の人」の姿がかさなって映る。佐佐木さんは大づかみなことばで、スケールの大きな言い方をしたり、ざっくばらんな空気感をつかんできたりするところに、うたの特徴がある。その特徴が、ささやかにも現れたような一首である。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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