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1首鑑賞338/365

引き出しをひっくり返す音に似た雷、あれは神の断捨離
   笹川諒「ビードロ」「ぱんたれい」vol.1

     *

たとえばこの連作の一首目をみると

僕よりも俯きがちにしらしらと宙(そら)をゆく夏至のアストロノート

といううたがあって、「僕よりも俯きがち」というところから「宙」「夏至」「アストロノート」へと、つまり身辺からスケールの大きなところへと展開していく感じが、掲出歌にもあてはまることがわかる。

「引き出しをひっくり返す音」というところからはじまって、それが「雷」「神」へと展開していく。このスケールの差にくらくらする。「雷」=「神の断捨離」という見立ては、ただに見立てであって、それより他に意味をもたないかのように映る。それくらい、一首のなかにおいては、小さな世界と大きな世界がぶつかりあうそのことに中心がある。平衡感覚をなくしてしまいそうな一首だ。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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