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1首鑑賞336/365

ホームには大燻りせる灰皿のひとつがありてその風の下
   小池光『日々の思い出』

     *

ホーム、とは駅のホームだろう。JRなど、今は全面禁煙の駅も増えたが、あるときまではふつうにあった。それが喫煙に対する社会の考え方の変化にともなって、ホームの突端に追いやられたりしながら喫煙所は消えていった。いま「ホーム」と言えば「老人ホーム」の類いを指すことも増えてきた。が、ここでは駅のプラットホームとおもって読む。

もくもくと煙がのぼっている灰皿が目にとまる。「その風の下」というのは、万葉集の「その草深野」とか、茂吉の用法とかをおもいだす措辞で、ある種のリフレインである。もうひとつ述べて、印象を鮮明にする。風の吹くのにあわせて煙があっちこっちたなびく。喫煙所の風景であり、風の見える光景である。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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