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1首鑑賞334/365

つる草にまるで喰われているようなアパート 秋はおしゃれもしたい
   武田穂佳「スケッチブックの絵」「短歌研究」2019.11

     *

つる草に覆われているアパートを「まるで喰われているような」と言って、無抵抗の、喰われるがままのアパートである。喰われたら喰われっぱなしなのだ。じっさいアパート自身にはどうすることもできない。しかし「わたし」にはできる。「秋は」の「は」、「おしゃれも」の「も」、そして「したい」には、いずれにも能動の気持ちがあらわれている。アパートと対置して、「わたし」に内的エネルギーが湧いてくるのがわかる。それにアパートは、つる草に覆われて(覆われっぱなしで)「おしゃれ」じゃない。そういうわけで、「わたし」にじっ、っと力がたまるのだ。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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