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1首鑑賞333/365

予定地に光の柱のぼらしめ宗教画めくマンションチラシ
   笹公人「伝承されない民話のように」「短歌研究」2019.11

     *

「マンションチラシ」で画像検索するとわかるが、ここにマンションが建ちますよ、というのを示すのに、その完成予想図ではなく、「光の柱」がえがかれているものを見かける。じっさいわが家でも、郵便受けにそういうチラシが入っていたことがある。「いいもの」が建つ、というイメージを与える「光の柱」なのだろう。そこに素敵な文句など添えてあって、なかなか見入ってしまうものだ。熱量に押されるというか。ある種の「宗教画」にある光あふれて幸に満ちた感じだったり、それとはちがって荘厳、神聖な雰囲気だったり、たしかに「宗教画」の構図がうっすら透けて見えてくる。「塩の柱」というのはあっても、「光の柱」と一言でずばり述べて的確かつ、宗教画というものともなじみあうところ、巧みな一首である。「のぼらしめ」というのも神の采配のようにおもわれてくる。短歌では、明示されない主語は「われ」であることが多いが、英語におけるそれは「神」ということになるだろうか。そんな余談もあるいは連想される。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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