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1首鑑賞332/365

ザ・リガニーズ「落葉の季節」聴きながら感傷いいぢやんと思ひそめにき
   島田修三「夢のやうに良夜」「短歌研究」2019.11

     *

ザ・リガニーズとは、「ザリガニ」ーズ、ということだろうが、「落葉の季節」という曲がある。調べてみると1968年の曲。YouTubeにも動画があがっている。早稲田大学のバンドサークル由来のグループで、聴いてみると、いわゆるフォークソングのようだ。聴きながら、「感傷」ということにうなづく。

島田さんには近詠に

あはれあはれ「白い桟橋」のモノラル盤しぐれつつ聞こゆYouTubeの淵に
   「いいなあ長嶋」角川「短歌」2019.11

という一首があって、下の句に味わいがある。YouTubeの「淵」というのが、YouTubeとの距離感をおのずと示しつつ、「しぐれつつ聞こゆ」とあいまって洒落た感じを醸しているのだ。

掲出歌、「落葉の季節」はYouTubeで聴いたかどうか、この一首もやはり注目するのは下の句である。「感傷いいぢやん」という甘い感じを許しはじめた、その淡い心持ちの変化がさりげなくうたわれる。「思ひそめにき」というのには、どういうわけか、ちょっとした照れのようなものが漂う。「感傷」というのもまあ、悪くはないな、という具合だろう。字余りのこぼれたというか、くだけたというか、そういう感触も、一首のムードを支えているようにおもう。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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