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1首鑑賞324/365

炎天下の縁石にどん兵衛食えばここはゆらめく即席地獄
   佐佐木定綱『月を食う』

     *

「どん兵衛」は即席うどん。乾麺にお湯を注いで作るので、炎天下で食べるとちょっとした「地獄」がうまれる。そういうわけでたしかに「即席地獄」なのだ。即席うどんの「即席」を背後におきながらコミカルに場面が浮かんでくる。

「炎天下の縁石に」は「えんてんかのえんせきに」の頭韻と「炎天/下の縁石に」の句跨がりがすでに「コミカル」を予感させる。「どん兵衛食えば」の字余りもそこに加えていいかどうか。「ここは」という指定、「ゆらめく」のあやしい雰囲気、「ここはゆらめく」という芝居がかかった描写がさらにたたみかけるように「即席地獄」を演出する。口にきもちよく、また「即席地獄」の「地獄」としてのリアリティのなさが楽しい。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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