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1首鑑賞323/365

カクテルにささる果物ばかみたい、でも親友と呼びたかったよ
   笠木拓『はるかカーテンコールまで』

     *

カクテルの、グラスのふちに果物がさしてある。なんというか、ばかみたいだ。冗談みたいだ。ばかっぽい。その気分を、「親友と呼びたかった」自分へ向ける。「親友と呼びたかった」だなんてばかみたいだよね、「でも親友と呼びたかったよ」。呼びたかった。切ないうただ。けれども、もう、あまり深刻ではない雰囲気がある。笑い話にはならないかもしれないけれど、「親友と呼びたかった」自分をすこし離れたところから眺めている。親友と呼んでしまえば、すでに親友でない。あるいは、一方的に親友と呼びたかっただけかもしれない。思いがめぐる。初ニ句は実景の序と読んだ。ばかみたい、から引き摺り出されるわたしの姿、その落差に胸をうたれる。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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