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1首鑑賞320/365

夢の中の食べ物は食べてはいけないと母は言いたり食べずに覚める
   佐波洋子「木草をこえて」

     *

『歌壇』2019年12月号より。夢の中の食べ物は食べてはいけない——ゆえあってのことではないだろう。しかし小さい頃、こういう類いの話はいっぱい聞かされたような気がする。夜に爪を切ると親の死に目にあえない云々。今となってはほとんどおぼえていない、あの頃はなんとなくそういうものなのかなあとぼんやり信じていたことが、長く記憶にのこっていたり、あるいは、なにかの拍子に思い出されたりするものである。「食べずに覚める」であるから、長く覚えて、なんとなくそれにしたがってきたのであろう。まじないに近い、小さな信仰のようなものが切なくひびく。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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