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1首鑑賞309/365

静けさにまさる勁さはなしと思ふ光おのづから白萩の花
   伊藤一彦『光の庭』

     *

前回は晴の日の酒と雨の日の酒、あるいはそのかなしさとさびしさを比べるうたを読んだ。今回はいろいろな勁さ(つよさ)のなかでそれぞれを比べてみて、なかでも静けさを格別とうたう。まず、勁さのなかにも静動あるという視点に立ち止まる。そして「光おのづから白萩の花」の光景を思い浮かべながら、静けさの勁さというものを考える。じっとしてなにかを内に湛えながら、しかし表情はすずしく、秋の光のごとく、また、萩の花の白きがごとく在る、ひとりの人の姿が思われてくる。緩急ありながらも澄み透るような韻律が、うたに添うようだ。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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