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1首鑑賞299/365

手をあげれば届く高さの石鳥居明治十五年奉納とある
   野田光介(「やまなみ」2019.11)

     *

手をあげれば届く、というのだから鳥居にしては小振りであろう。くぐらんとして、その小ささに気づきつつある。そして手をあげてみる。おお、手が届く。小さいんだな、やっぱり。という、ほのかな高揚感が伝ってくる。その眼差しが、「明治十五年奉納」という文字をみとめる。「だから」とも「それなのに」ともいいがたい、関係がありそうでなさそうな情報が添加される。その、わかるようなわからないような感覚をそのまま「とある」と差し出しているのだ。ほのかな高揚感にすこし色を足すような下の句が、臨場感をさそう。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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