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1首鑑賞298/365

初盆のお勤め明けて空青しいやだなあ秋が秋がやって来る
   古賀信之(「やまなみ」2019.11)

     *

妻の新盆である。新盆は、「はつぼん」とも「にいぼん」とも読めるが、ここでは「空青し」へ視界がひらけていく感じをおもって「にいぼん」と読んでみたい。こころを遣る、というよりも、いろいろやることがあって、あわただしいお盆のお勤めであったこととおもう。だからこそ「明けて空青し」なのだ。一段落してふっとうまれた隙が故人をおもいださせるのだし、おもっていても口にのぼらなかったことを声にださせるのだ。切ないうたである。きっぱりとした口吻の「空青し」から一転、「いやだなあ」というつぶやきは、だから、喉の弁がはずれたような直情をおもわせる。あなたのいない秋がやって来る。「秋が」「秋が」といいかさねて噛みしめる。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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