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1首鑑賞282/365

茹でられたような大豆が落ちている二月四日の雨にふやけて
   山川藍「ことわざ」

     *

足元に大豆がある。雨にぬれてふやけている。二月四日、というのは二月三日すなわち節分の翌日であるから、ゆうべの豆撒きの名残りだろう、とおもいながら見る。よく見る。しかしそれは茹でられたように見えているのだから、まったく関係のない、ただの大豆かもしれない。ただの大豆がどういう因果でここに落ちているのか。さしあたり「二月四日の」と言っておくしかないし、「雨にふやけて」と言うことしかできない。状況に、できるかぎり判断を添えず、ただ眼前の大豆をいう。あんまり見過ぎるので、しだいに大豆がおおきくなったりちいさくなったりしそうだ。「歌壇」2019.5月号より。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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