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1首鑑賞270/365

かぶと虫つかみてあれば角(つの)立つるちからむりつと吾をたぢろがす
   馬場あき子『あさげゆふげ』

     *

つかまれたかぶと虫は、逃れようとして角を立てる。その「ちから」の唐突、おもいのほかのつよさにたじろぐのだろう。「むりつと」はいまの仮名遣いで書けば「むりっと」。角を立てようとして「むりっ」とちからをかける。生々しい感触がある。反らすようなちからの向きがおもわれる。この「むりつと」もそうだが、「角立つる」というこまかな描写も相まって、ひとつちからの場面が鮮明に浮かんでくる。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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