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1首鑑賞242/365

いちまいの平面となり月照れば円とは鋭きかたちと思ふ
   栗木京子『ランプの精』

     *

月のひかりが、夜のぜんたいへ降りかかる。「平面」は無限のひろがりをもつ。「いちまいの」「月」のひかりのひろがりが、夜のぜんたいをつつみ、覆うとき、それに比して、円とはたしかに「鋭きかたち」である。ひろがりに限りのある、縁のある、とじた図形である。円はふつう、なめらかな曲線とおもわれるから、「鋭き」には意外性がある。しかし一方で、円の半径をどんどん大きくしていくと、やがてひとつの直線になる、という極限のすがたを考えることができる。「無限」によってひらかれる図形でもあるのだ。月という「鋭きかたち」と、まどかなる月のひかりのひろがりが、うつくしくひきつけあう1首である。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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