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1首鑑賞240/365

吊革を握りたるまま眠りをりまだ背の伸びる少年たちは
   栗木京子『ランプの精』

     *

電車かなにかで、吊革に手をかけたまま眠って立っている少年の一群を見た。「まだ背の伸びる」という眼差しが、一首の核にあたるだろう。前に引用した

少年の横顔へ射す夕影よもうすぐ失ふなめらかな喉
   森ひなこ『夏歌ふ者』

をおもいだす。こちらは「もうすぐ失ふ」という視線。「失ふ」と「伸びる」でいくぶん方向性はちがうのだが、見ているのは「なめらかな喉」であり、少年たちの「背」であるから、そこに共通のこころを読みとることはできよう。見るうたであり、「見られる」うたである。その生々しい視線にややのけぞりつつ読んだ。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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