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1首鑑賞239/365

夕闇は貴船神社の石段に迫りて人のくるぶしを消す
   桜川冴子『さくらカフェ本日開店』

     *

夕陽が落ちて、しだいにあたりが闇に包まれる。陽の差していた石段からもおのずとひかりがひいていき、入れ替わるように闇が満ちてくる。「人のくるぶしを消す」にひやっとする。人を、人でないものに変えていくかのような、濃い闇の気配が伝う。闇がおおってしまうひとつ手前の、だからこそ印象強い闇の触手が、石段に及んでいるのである。闇にさらわれる。足早になる。

ただ、1首の視点はいかにも冷静である。そのことに、もういちど、ひやっとする。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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