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1首鑑賞235/365

少年の横顔へ射す夕影よもうすぐ失ふなめらかな喉
   森ひなこ『夏歌ふ者』

     *

少年のなめらかな喉を照らし出すように夕影(=夕日の光)が射している。思春期を経て、どのくらいの場合そうなるのか、程度の差もありつつやがて喉仏(喉頭隆起)が目立つようになっていく。それを、なめらかな喉を「失ふ」としたところに、この人の視線がある。戻ることのない少年としての姿を、諦観をこめて愛おしむ。詠嘆の「よ」が喉ではなく夕影についているところが印象的だ。喪失の予兆をあざやかに映し出す残酷にこそ、この人の眼差しは向けられているのかもしれない。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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