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1首鑑賞234/365

子になれぬ母にもなれぬ母の日に子の顔をして買ふカーネーション
   森ひなこ『夏歌ふ者』

     *

このうたも、リフレインで読ませる。「子になれぬ」というのは、母をすでに亡くしているということ、そして「母にもなれぬ」というのは子をもたないことを、それぞれ示していよう。母の日にカーネションをあげたことはあったか。もらったことはあったか。いずれにしても今年のこの母の日に、わたしは宙ぶらりんである。そんな母の日に、「子の顔をして」カーネーションを買う。母へわたすというより、自分で自分にあげるものとして、カーネーションが選ばれているようにおもう。「子の顔をして」母へと眼差しをむける、そのいっときがまばゆく映る。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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