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1首鑑賞215/365

冬の陽をあたまに乗せて水上をゆくとき鴨のわれはかがやく
   小島ゆかり『六六魚』

     *

水のおもてをゆく鴨のあたまに冬の陽がかがやいている。そこを「冬の陽をあたまに乗せて」といったところに、まるでタオルをあたまに乗せて湯船につかる人のような、ほのぼのとしたあたたかさがある。しかしそれはそれとして、「鴨のわれはかがやく」という結句におけるおどろくべき転回が、この1首の眼目だろう。「鴨」と「われ」が瞬時に同期する。かがやいている鴨を見るのではなく、われそのものが鴨となってかがやく、という移入の仕方に緊張する。たのしそうだ。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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