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1首鑑賞206/365

筆圧を上げて書ききる二行あり腸(ダルム)のやうな雲がひかりぬ
   藪内亮輔『海蛇と珊瑚』

     *

一時期の藪内さんにはとくに「筆圧」を感じることが多く、そのままに圧倒されていた。だから「筆圧」そのものがこうしてうたわれてみて、初出のとき、ちょっとおどろいた記憶がある。書き「きる」は最終行をおもわせるが、それにこだわらなくともいいだろう。肝要となる二行を、力をつかって書き上げた。それが「腸(ダルム)」のようでもあるし、しかし実際には、そういうふうに雲がひかっている光景がかえってくる。夕雲をおもう。あやしい光を帯びて、充実と、緊張と、脱力のおりなす奇妙な時間・空間に添う。いくぶん「岡井的」だ。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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