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1首鑑賞191/365

雑食の蛸であるゆゑ太すぎる今年の足を皆畏れたり
   梶原さい子『リアス/椿』

     *

雑食の蛸であるから、今年の足の異様に太いのを見て、なにを食べてこんなに太ったのだろうとおもう。この「なにを食べて」の「なに」に思い当たる節がなければ、ただの「今年の不思議」をうたったうただが、「皆畏れたり」なので、なにか心当たりがあるのである。背景には東日本大震災がある。津波にのまれ、海にさらわれたものあまた、そのなかには多くのひともあった。ということを、一首は饒舌には語らない。それこそが「畏れ」であり、だからこそ黙るのである。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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