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1首鑑賞189/365

かなしみの気泡のように痩せていく少年、風を露光するのだ
   安井高志『サトゥルヌス菓子店』

     *

「露光」ということばが、はっきりとはわからず、調べても正確なところまではわからなかった。「光にさらす」というふうに読む。

光にさらされる「風」は、少年の内にあるのか外にあるのか。外にあれば、それはすでに光にさらされている。「風」は少年の内にあるのだ。「気泡」ということばと縁語のようにひびきあう。

「痩せていく少年」、それも「かなしみ」の気泡のように痩せていく。はっとするような光景だが、かならずしもポジティブではない。それを、「風を露光するのだ」と読み替える。「かなしみ」がむくわれるような、しかし自身に呼びかけるような強いことばが、逆説的に痛みを増幅させる。はかなく、まぶしい1首である。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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