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喘ぎ喘ぎて

明けましておめでとうございます。

     *

またひとつ無事に新しい年を迎えることができたことへの率直なよろこびがある。身の引き締まるような風の冷たさは、まこと元旦にふさわしい。こんな一首から今年を始めたい。

ネジ巻けばただちにうごくピカチュウよ喘ぎ喘ぎて人は生くるを
   小池光『山鳩集』

元日らしくない感じもあるが、意外と実感に添う。逆接の接続助詞のつもりで「を」を想定したが、一首と成りながら微妙に違った気分が滲んでくる。ピカチュウへの同情もここに含まれよう。人とピカチュウの必ずしも対比ではないのだ。作者がどうであったかはむろん知るよしもないが、作歌の動機とは違うところへ歌が自ずと成っていくところに、定型をはじめとする短歌の諸制約の魅力があることは言うまでもない。端的に、その混沌が一首のなかに動いている。

     *

今年もよろしくお願い申し上げます。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。歌集に『温泉』(2018年)がある。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はkyushu.sc.m.yamasho@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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