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1首鑑賞180/365

鉛筆を持ちたるままに眠りゐき覚めて明るき春におどろく
   馬場あき子『あさげゆふげ』

     *

つい先日、飲んだ帰りの路傍でそのまま眠ってしまい、場所を二転三転しながら朝を迎えたことがあった。ほんの二三時間のあいだであったが、不気味なくらい明るい、それなのに人通りの少ない朝の街なかを不思議のおもいで眺めていた。そういう妙な明るさが、掲出のうたにも感じられる。いわゆる寝落ち、ということだろう。なにか書き物をしていたか、枕元でメモをつけていたか、そのとき持っていた鉛筆を持ったまま眠ってしまった。は、っと目覚めたときにはすでに朝で、そのいかにも明るい空間に、春を感じとっている。「覚めて」は春という季節へもかかっているのだろう。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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