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1首鑑賞177/365

八十八とは茶摘みどきなり人間の生きた歳月の体は痛い
   馬場あき子『あさげゆふげ』

     *

夏も近づく八十八夜と言えば茶摘みのうただが、ここではその「八十八夜」と人間の齢であるところの「八十八歳」を掛けている。1928年生まれの馬場さんは、現在91歳。作歌当時、ご自身の88歳の「体」をおもいながらのうただろう。「茶摘みどき」には旬の(あるいは若い)ポジティブな気分があるが、「体は痛い」はいかにもそれと対をなす。筋肉痛などとちがって、あっちもこっちもさまざまに痛むのだとおもう。「体は」という大きな主語がそれを示している。三句切れでさっぱりとした作りだが、上の句と下の句をむすぶ接続詞がおのずと滲むようだ。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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