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1首鑑賞175/365

好きな食べ物分けてもらって友達の子供が友達になる土曜
   宇都宮敦『ピクニック』

     *

友達の子供、というものにずいぶん慣れてきた。まだ友達の子供が少なかったころ、本当に! 子供が! といちいちおどろいていて、なんだか得体の知れない感じがあったのだが、近頃は「そういうものだよなあ」と、なんとなく納得している。実際に友達の子供に会って泣かれて、みたいなことをしたので実感がわいてきた、というのもある。このうたでは「好きな食べ物分けてもらって」ついには「友達」にまでなっている。そう大げさなことではなくて、「友達の子供」という位置づけだった対象が、「友達」と呼ぶような相手になった、という認識が1首の読みどころだろう。「好きな食べ物」という大掴みのことばは、友達の子供にとってのそれ、であることを示唆している。ささいなきっかけだが、「友達の子供」から「友達」へのうつりかわりなめらかなところが、いかにも「子供」との間柄いう感じがして、それを「土曜」というパッケージがひとつ記念のように包み込んでいる。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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