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1首鑑賞152/365

メモにある議題つぎつぎ終へむとす宵の街区に初雪がくる
   篠弘「失はれしもの」角川『短歌』2019.6月号

     *

篠さんと言えば会議、会議と言えば篠さんというくらい、篠弘の会議詠はたゆまず続く。そしてその多くは、厳しい議論の現場や、組織のなかの人事や対立、あるいは自らの矜持といったことをうたったものである。その中にあってこの1首、ちょっと微笑ましいひとつ場面をえがいて珍しい。

宵の窓外に、いまにも雪がちらつきそうな気配をみとめている。それも初雪である。気になってか、ちらちらよそ見をしているようだ。手元のメモを確認しつつ、やや足早に会議を進めていく。終われば街に出て、初雪を仰ぎたい。けれどもそのことには触れず、淡々と議事を進行する。内に秘められた高揚感が、ほんのり伝わってくる。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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