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1首鑑賞129/365

厚着して声が小さくなるやうな冬の朝なりひひらぎの径
   小島ゆかり『純白光』

     *

わたしは年じゅう半袖半ズボンおよびサンダルで暮らしているから、必要があってスーツなど着れば、体じゅうが締め付けられるようでいたく気持ちわるい。重ね着も得意でない。そういうわけで、声が小さくなるようにおもうのはまず、厚着による圧迫感のゆえではないか、と思う。しかしふだんから衣替えというものをし、季節に合ったものを着ている方であれば、そういう圧迫感には慣れていてどうってことない、ということもあるだろう。そこでもうひとつ思うのは、冬の朝で厚着であるから、かなり冷えているのだろうということ。寒くて体が縮こまれば、おのずと声も小
さくなるような気がする。

冬の朝から厚着してどこかへ出掛けている。身を一点に集中させるようにして、とにかく体を前へ進める。寒い寒い柊の径だ。歩くその姿さえも一点に凝縮してしまうような、いかにもしんとした光景が浮かんでくる。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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