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1首鑑賞122/365

わんこそば呑むやうに食べつぎつぎに食べ十代は噎せることなし
   小島ゆかり『純白光』

     *

岩手は盛岡の短歌甲子園でのひとコマ。決勝リーグ前夜祭、わんこそば大会の光景だ。「十代は噎せることなし」に一首の眼目がある。

わんこそばを食べる様子というのは(映像で知るのみなれど)、なかなか壮絶である。たちまち食べて椀を重ねていく。「呑むやうに」だし「つぎつぎに食べ」である。いちどやってみたいものだとおもう。それで、そういう十代たちの食べぶりを見ている。おのずからわたしと十代のあいだには隔たりがあって、その眼差しが「十代は噎せることなし」というふうに発見する。十代たちのいかにもな食べぶりをほほえましく思いもするのだが、同時に、なんだか切なくなってくるのだ。

つぎの日のうたに、

若さ今も切なき短歌甲子園 啄木没後百年の夏

とある。「今も」をうたう視線の先には、啄木の若さ切なさがかさなって映る。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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