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1首鑑賞109/365

大海に子供を釣りぬこの子供われが育てん楽しく育てん
   花山周子『林立』

     *

わが子誕生のうたで、まず大きく、「大海に子供を釣りぬ」とうたう。意味内容のうえでも大柄だが、比喩としてもいかにも大柄で、すこしおののくのだけれど、三句以降、ここにささやかにディテールが添えられていく。いま眼前にあるこの子供は、大海をただようあまたの子供のたまたまこのひとりであり、であるからこそ、「われが育てん」という意志がうまれる。「われが」釣った、それゆえ、ただそのことがゆえに、「われが育てん」なのだ。そしてさらに「楽しく育てん」と。こう言い切って怯まないうたの立ち姿に、読者のわたしは立ち尽くしてしまう。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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