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1首鑑賞102/365

夏の陽に干された一本のジーンズは弟のもの 熱く重たき
   花山周子『林立』

     *

夏の戸外に干された一本のジーンズ。まるでその一本だけが吊るされているかのように存在感をもつ。「夏の陽に干された」というスケール感や「一本の」という特定がそうおもわせるのだろう。「弟のもの」という認識からくる(少なくともわたしにとっての)異物感も、そこに加えてよいとおもう。うたはそこに、さらに「熱く」「重たき」とたたみかける。一字空けの前では眺めていただけのジーンズが、その後ではわが手に触れて感じるものになっている。陽を受けて熱いジーンズ。まだ水分が残っていて重たいのか。あるいは、ジーンズそのもののからくる重たさ、サイズからくる重たさ、いくつか考えられる。「弟のもの」ということが、ここでも効いてくる。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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