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1首鑑賞92/365

子のために開かれる股ママとパパそこから見える噴水公園
   菊竹胡乃美「カービィの瞳」『九大短歌』7号

     *

この作者はノンストップでだだだだだっとしゃべり続けるみたいな文体でストレートをびゅんびゅん投げてくる、ようなところがあって、この一連も圧倒されながら読んだ。なかでこの1首は出産の場面をうたいながら展開目まぐるしく、その果ての噴水公園に妙に納得させられた。

産まれつつある子が股から顔を出してママはじかには見えないけれどパパがいて、ママのことも感じていて、そこから噴水公園を見ている。まぶしい世界みたいなことかな。初読のときは、こう読んだ。けれどもそれは全然確定できなくて、たとえばママとパパが股を開いてトンネルを作っている。そこを子が通る。向こうに噴水公園が見える。こういう読みもできる。股、ママ、パパの音の連なりをするすると通ってひといきに噴水公園まで読んだ、その勢いのままにはじめの読みがわたしにはあったのだけれど、もう一度読み直すとそれはまったく断言できなくなって、いま、すこし戸惑っている。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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