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1首鑑賞88/365

生臭くあかい夕日はたれながら本当にもう疲れた眼(まなこ)
   花山周子『林立』

     *

夕日を見るのは眼だが、その夕日と眼とがいったいとなってどろん、とずり落ちてしまいそうな、そういう疲労感が1首全体にただよっている。初句の「生臭く」というのが、わたし自身の体感としては身に覚えがなく、でも、「生臭い」そのものは知っているので、それをたよりに「生臭く」「あかい」「夕日」というものを想像してみる。それが垂れている。垂れていく。「夕日はたれながら」の「は」と「たれながら」とを蝶番のようにして「本当にもう疲れた眼」へ展開していく。「は」と「ながら」が「夕日=眼」という見立てを引き寄せるが、はっきりと見立てがある、というよりはどこか混然としたところがあって、それは1首のながれるような作りがそうおもわせるのかもしれない。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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