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1首鑑賞79/365

ふくらんでゐたのはひかり はつなつの風より奪ひかへすカーテン
   濱松哲朗「湖(うみ)をめぐる灯」『穀物』4号

     *

風が抜けようとしてカーテンが膨らむ。窓辺の光景だ。でも、膨らんでいるのはカーテンではなくて「ひかり」なんだと、このうたは言う。「ひかり」が膨張して、カーテンの内側にたまっている。そしてこちらの世界を圧迫してくる。そうかもしれないなあ、とおもう。

初夏の、いかにもまぶしいひかり、それがおのずから膨らんでいってたまる。カーテンを隔ててわたしは暗闇のほうにいる。その境であるところのカーテンをあやつる風。その風から、わたしはカーテンを奪い返す。奪い返すのは「ひかり」だろう。

「ひかり」を希求するうただ。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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