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1首鑑賞75/365

無傷とふ傷もちし日のなつかしさ自転車の群れ川べりをゆく
   梶原さい子『リアス/椿』

     *

一読、〈いちまいのガーゼのごとき風たちてつつまれやすし傷待つ胸は〉(小池光『バルサの翼』)を思い出す。傷待つ胸にとって、無傷であることは傷なのだろう。

なつかしさ、とあるのでこの人はもうそういう時期をとうに過ぎている。自転車でやってくるのはどれくらいの年頃の群れか。ああ、と息がもれる。とおく自分を重ね映す。なくなってしまったもの、なくしてしまったものを恋うる心をなつかしさと言う。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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