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1首鑑賞71/365

冷たい息が吐かれた朝は剃刀を水に沈める 結婚式だ
   安井高志『サトゥルヌス菓子店』

     *

結婚式の朝のおごそかな空気を想像する。「冷たい息」とあるので、秋から冬へかけての、ひきしまる朝の空気だろう。「冷たい」「剃刀」「水」「結婚式」のあいだには、〈緊張〉という共通部分を見ることができる。身支度をととのえるための剃刀が、なにかこれまでとこれからとを切り分ける小刀のようにおもわれる。水に沈める、というのは、決別の意思表示だ。うたいはじめ、「息を吐いた」ではなく「息が吐かれた」と受け身形になっている。朝起きだして、それはまだ意思ではないからか。徐々に、結句にむかって気分がたかまっていく。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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