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1首鑑賞69/365

車道一つ隔ててさくら黒ぐろと濡れたる幹に花を浮かべつ
   阿木津英「弦月」『八雁』2019.3月号

     *

さくら、即、黒ぐろとあって一瞬ぎょっとする。すぐにそれは桜木の濡れた幹だとわかって、あああれはまさに黒ぐろとだと納得するのだが、このうたはそこからもういちど、花のほうへと切り返す。ここにさくらの花の存在感が立ち上がる。ささやかな花である。艶ある幹のいかにも印象強いありさまとは対照的に、ほのかに、点々と浮かんでいる花びら。黒と白、大と小、という対比が鮮やかに迫ってくる。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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