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1首鑑賞67/365

高速道路の下を塒(ねぐら)にする鳩を自分のやうに思ふことあり
   間瀬敬『エルベの石』

     *

高速道路の下、というのは少しあいまいだが、そこに塒があると言うのだから、おそらく高架のものとおもう。橋脚と道路のあいだの隙間に塒があるのを想像する。鳩よけの剣山のようなものを、いま、あちらにもこちらにも見るようになった。住まわれては困る気持ちもわかるが、なにか痛々しく見える。塒をもとめてさまよう鳩の姿をおもう。因果因縁はともかく、そういう鳩の立場に自らを重ね見ているわけだ。鳩をおもうというより、自分自身の立場や、境遇や、現状をすこしく憂う気持ちだろう。いつもいつもというわけではないが「思ふことあり」、そのたまゆらが一首のうちに籠っている。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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