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1首鑑賞30/365

八十分一万二千発を打ち上げるそれの全てをボクも見ました
   奥村晃作『八十一の春』

     *

歌集『八十の夏』につづく最新歌集。タイトルにも、文芸社からの刊行にもおどろく。掲出歌は「今生の最後」と思ってチケット買って出掛けた花火大会の連作のなかの1首。上の句の「八十分」や「一万二千発」と数を並べて言い出すあたり、すでにうきうきしているのだけれど、この下の句にいたっては歓び爆発という感じで、えっ、と声に漏らしてしまった。

八十分、一万二千発の、チケットの出る大きな花火大会である。その会場の輪のなかに自分がいること、一体としてその空気を感じ、また花火の全てを見通し堪能したこと、その高揚感が「も」にあらわれ出ている。「見ました」の「た」は詠嘆の助動詞なんじゃないか、と思われるほど、何だかじんとくるのである。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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