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1首鑑賞25/365

メールなき時代をわかく緊張し懇ろに書きてこころはありき
   米川千嘉子「しゆわしゆわ切つて」『歌壇』2019.1月号

     *

連作のなかでは、引っ越しのためにもらった手紙・葉書の類いを整理している場面である。

・メールなき時代=若かった頃
・(個人的な経験として)若かった頃、緊張していた
・(一般論として)若い頃ならではの緊張がある
・緊張していたので懇ろに書いた
・若かったので懇ろに書いた
・若かった頃は懇ろに書いた
・懇ろに書いたのでこころがあった
・若かった頃はこころがあった
・メールはなかったがこころはあった

というふうに、幾重にも折りたたまれるようにして一首がある。意味内容を詰め込んでいくのは米川作品の特徴だが、それがたたみかけるような、息継ぎをゆるさないような韻律とともに、ぎっしり詰まった形であらわれている。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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