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1首鑑賞23/365

七竈の眸(まみ)ひらく夜を方形のバスの光はきて停まりたり
   睦月都「きやべつ畑」角川『短歌』2019.1月号

     *

はじめ字面だけで七竈のことをなにか想像上の生き物のようにおもっていたけれど、全然ちがった。ナナカマドはバラ科の落葉小高木である。南天のような赤くて小さくて丸い実をつける。なるほど眸(まみ)=ひとみである。するとバスの光は白目ということか――そういう連想もあり得る。夜を、というふうに場面は明確に区切られているから、実際にはそうでない。実の球形とバスの(光の)方形が対になっていて印象的だ。いくつかのイメージが交錯するような高揚感がある。しずかな光景である。結句で「きて停まりたり」と抑制されることで、七竈の眸と方形の光とがいっそうつよく目に映る。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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