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1首鑑賞20/365

二人づれが月のあをきをいふ声す眼鏡さがしてゐるまに過ぎつ
   長谷川銀作『低い窓』

     *

「月が青いな」「ほんとだ」
「見て、月が青い」「おぉ、すごい」
「今日は月が青いねえ」「ですねえ」

二人づれが並んで歩いているのだろう。どんな二人か。夫婦、親子、友人どうし、先輩後輩、なんでもいい。いろいろ想像してみる。月が青い青いと言って、それほどはしゃいでいるふうでもないが、なにやら楽しげである。それを聞きとめたのだ。どれ、と思って眼鏡をさがしているうちに二人は過ぎ去ってしまった。声が遠いのいていくのを聞く。なにか、自分のなかを通過していった時間そのものを聞くような、寂しい余韻がある。
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プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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