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1首鑑賞212/365

夕方に降るときいてた雨がまだ降っていなくて電車で帰る
   二三川練『惑星ジンタ』

     *

そういえば「夕方に降る」って聞いていたのに「まだ降っていな」いなあ、と空を見上げる。うすぐもりの空。帰りは雨だから自転車で来るのをやめたのにな。電車で来たので電車で帰る。そういう場面を想像する。しかし「電車で帰る」について、無理に理路を考える必要はないなあとおもう。こういう場面がある。そしてそのときの気分や、時間の流れ方が、みごとにうつしとられている。というところを読んだらいいのだとおもう。どこか身に覚えのある、ささやかなできごと。できごと、というほどのことでもない、けれどもたしかにある気分。身にはりつくような1首だ。
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短歌日記212/365

10時起床。94.9キロ。昼は塩レモンカルボナーラ。アイスコーヒーをがばがば飲む。

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ほりおこす話のかけら片方が知らない話ばかり出てくる

ロフトについて

日記のフォーマットがなんとなくできあがってしまって、それ以外のことが書きづらくなってしまった。自縄自縛。夜になってもロフトが暑い。涼しくなったら寝ようとおもって本を読むけれど、全然涼しくならない。ロフトにあがる階段に脚を垂らして本を読む。金属の部分がつめたくて気持ちいい。2時を過ぎて3時を過ぎても涼しくならないのであきらめて寝る。平べったくなって布団にからだをはりつけると、おもいのほか涼しい。起き上がっているときは頭が床から離れたところにあるので暑かったのだ。サーキュレーターで空気をぐるぐるにかき混ぜるとよい、というのはわかっているけれど、わざわざそんなことするのも手間だし、なんとなく正しい感じがして嫌なのでしない。来年はしているかもしれない。衣装箱を捨てた。敷き布団として使っている掛け布団のへりに、はみだした本を積み上げて眠る。そろそろロフトで生活するのをやめるかなあ。

1首鑑賞211/365

赤ん坊がけらけら笑う つられて笑う 緑茶が少しずつぬるくなる
   二三川練『惑星ジンタ』

     *

たとえば居間に赤ん坊がいて、わたしがいて、お茶が出されてくつろいでいる、という場面を想像する。「赤ん坊がけらけら笑う」、それに「つられて」わたしも「笑う」。そういうなんでもない時間、しまりのない時間がゆっくり流れる。出してもらった「緑茶が少しずつぬるくなる」。それもあんまり気にしていないふうである。しなくてはいけないことやしたいことのとくにない、のっぺらぼうの時間が再現されている。

短歌日記211/365

13時起床。94.9キロ。『自由思考』(中村文則、河出書房新社)を読む。

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熱こもる午後のロフトにかわきたるひとつからだがわが身の重さ

プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎『温泉』ご購入はこちらから。現代短歌社のオンラインショップです。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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