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1首鑑賞31/365

春草の茂きを見むと川べりに下りて立てば潮さしのぼる
   玉城徹『香貫』

     *

玉城徹の歌集を読むのはこれがはじめて。四句は「くだりてたてば」と読んだ。おりたつ(下り立つ)と違って、くだる→たつ、という動作の別がはっきりイメージされる。ちょっと川べりに下りてみたのだ。それで、なんとなく眺めている。別に川を見に来たのではないのだが、眺めていると潮ののぼってくる動きが目に入る。その対峙が印象的だ。結句での急転換と、さしのぼるの「さし」が、すーっと流れる水の動きを導いている。
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短歌日記31/365

酒にまつわる時間のほとんどが、わたしの場合、自分自身の愚かさと向き合う時間である。元来ある愚かさが、酒の力によって引き出される。それを一心に見詰める。膿のように出せるものだったらいいのにな、と翌朝ひどく落ち込むことになる。同席の方にはただただ申し訳ないのだが……。

一ヶ月が長かった。今年のひと月が終わる。

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梅の木に日ごとかさます梅の花ほろほろ白し熱あるごとく

1首鑑賞30/365

八十分一万二千発を打ち上げるそれの全てをボクも見ました
   奥村晃作『八十一の春』

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歌集『八十の夏』につづく最新歌集。タイトルにも、文芸社からの刊行にもおどろく。掲出歌は「今生の最後」と思ってチケット買って出掛けた花火大会の連作のなかの1首。上の句の「八十分」や「一万二千発」と数を並べて言い出すあたり、すでにうきうきしているのだけれど、この下の句にいたっては歓び爆発という感じで、えっ、と声に漏らしてしまった。

八十分、一万二千発の、チケットの出る大きな花火大会である。その会場の輪のなかに自分がいること、一体としてその空気を感じ、また花火の全てを見通し堪能したこと、その高揚感が「も」にあらわれ出ている。「見ました」の「た」は詠嘆の助動詞なんじゃないか、と思われるほど、何だかじんとくるのである。

短歌日記30/365

1軒目を出たのが日付変わって0時半頃。明太おにぎりとあおさの味噌汁でシメて順調に帰路についたのだが、2軒目で長居しすぎた。テスト終わりの大学生たちの熱気につられて朝まで。酔いつぶれた1人を介抱したり家に送りとどけたりしているうちに空が明るみ始め、小学生の登校の列とすれちがいながら家に辿り着いた。

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郵便受けにたまりてぬくい新聞の束をかかへて呆然とせり

『温泉』を読む会@福岡

4月に、『温泉』を読む会および『温泉』出版お祝いの会を下記の通りひらいていただくことになりました。
ありがとうございます。

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山下翔・歌集『温泉』を読む会
日 時 平成31年4月14日(日) 10:00-13:00 
場 所 福岡市NPO・ボランティア交流センターあすみん セミナー室AB 
   (福岡市中央区今泉1-19-22 天神クラス 4階)
参加費 無料
※パネリスト等を呼ぶものではなく、参加者が自由に歌集の感想などを話し合う会です。歌集は各自でお持ち下さい。


山下翔・歌集『温泉』出版お祝いの会
日 時 平成31年4月14日(日) 13:30-15:30
場 所 しゃぶ禅 昭和通り大名店
   (福岡県福岡市中央区大名2-8-22 天神偕成ビル B1F)
参加費 一般6,000円 学生3,000円

     *

お申し込みは、竹中優子さんまでお願いします。

 ・参加者氏名
 ・住所
 ・電話番号(当日連絡がつくものが望ましい)
 ・どちらの会に参加するか

を書いて、yukotakenakaaa@gmail.com(@を半角にかえてください)へメールしてください。

申込締切は、平成31年3月20日(水)です。

プロフィール

山下翔(やました・しょう)

Author:山下翔(やました・しょう)
▶︎1990年生。2018年、『温泉』(現代短歌社)を刊行。「やまなみ」所属。
▶︎『温泉』ご購入はこちらから。現代短歌社のオンラインショップです。
▶︎お問い合わせ、ご依頼はs.ohsamay@gmail.com(@は半角に変えてください)までご連絡ください。

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